みちする

駅の楽しみ方:
まさに知行合一!
名物を創生する拠点

2023.09.06

滋賀県高島市安曇川町は江戸時代の学者で、「近江聖人」と称えられる中江藤樹の出身地だ。藤樹は中国の陽明学を日本人に分かりやすく紹介した才人であり、門下生に「知行合一」の教えを説いたことでも知られる。「知行合一」とは、得た知識は行動に移してこそ裏付けられるという意味。この言葉のように、精力的な活動の数々でお客さんの信頼を得ている高島市内の道の駅が〈藤樹の里あどがわ〉だ。

〈あどがわ〉は2006年6月に開駅。当初から地域の農産物や特産品を広く発信する目的で、直売所の充実に努めてきた。その棚には近江米や日本酒、琵琶湖ゆかりのえび豆やふなずしなどの人気商品が並ぶ。さらに、地元の生産者協議会とも連携。高島市で新しい特産品をつくるプロジェクトにも協力してきた。
そうやって生まれたのが、ニュージーランド発祥のボイセンベリーを改良した「アドベリー」。いまやソフトクリームやクッキー、パイなどに使われる〈あどがわ〉を代表する果物だ。
まちおこしの拠点として、パワフルな地元農家さんたちとともに高島市を盛り上げる〈あどがわ〉は滋賀県の道の駅で最大級の年間動員数を誇る。そのおみやげ売り場や飲食店はいつも観光客や地元の人たちでいっぱいだ。

〈あどがわ〉の施設①高島みちくさ市場

〈高島みちくさ市場〉は市内の生産者が届けてくれる朝採れ野菜、果物が中心の直売所。休日には新鮮な青果を手に入れるために、開店前から長蛇の列ができることもあるそう。それほどまでの人気の理由は、高島市が設けた厳しい基準をクリアした野菜の品質の高さにある。 特に、大根やキャベツ、トマトなどはおいしくて日持ちすると、お客さんから引っ張りだこだ。

〈あどがわ〉の施設②安曇川キッチン

〈安曇川キッチン〉は道の駅の休憩所も兼ねた飲食スペース。カレーや定食、丼ものなど、ボリュームたっぷりのランチメニューが好評だ。おすすめは、つなぎを含まずそば粉のみでつくられた「十割そば」。口の中でふわっとほどけていくような食感を楽しむには、「ざる蕎麦」や「おろし蕎麦」などのさっぱりした食べ方がおすすめ。食後には、こだわりの「湧き水コーヒー」や果物の「フロート」でほっとひと息。

〈あどがわ〉の施設③安曇川グリル

ワンランク上のランチを満喫したいお客さんのため、2022年4月から道の駅に加わった〈安曇川グリル〉。備長炭で焼かれた、「近江牛」のハンバーグや赤身ステーキを堪能できるレストランだ。熱々でジューシーな肉と、炊きたての近江米がセットになっているのがなんとも豪勢。お子様セットも用意されており、ファミリーで訪れる人も多いとか。

〈あどがわ〉の施設④扇子ギャラリー

扇子の土台となる竹の部分「扇骨(せんこつ)」。高島市安曇川町は全国の扇骨の9割を製造している地域だ。江戸時代、徳川五代将軍綱吉の頃、市内に流れる安曇川の氾濫を防ぐために植えられた竹を使って、冬の間の農閑期の仕事として始められたと伝えられる。「地元の伝統工芸品をアピールしたい」と願う道の駅は、直売所の隣に展示スペース「扇子ギャラリー」を設けている。もちろん、ここに飾られている扇子を気に入ったら購入することもできる。職人の手先が紡ぐ手作りの扇骨にほどこされた、数々の華やかな絵柄に思わず見入ってしまう。まるで江戸時代へとタイムスリップしたかのようだ。今へと繋がる古き良き日本の繊細な美を堪能しよう。

扇子以外にも、毛筆や木笛、ひょうたんなど、懐かしい工芸品が集まっている。
道の駅の天窓の形も扇状になっている。

駅長の言葉

他の道の駅も積極的に視察して情報収集しているというアクティブな鈴木駅長。

鈴木義典駅長は〈あどがわ〉の品揃えに誇りを持っている。
「〈あどがわ〉では、入荷する品物の基準を高く設けています。だから、高島市のいいものだけ が揃っています」。
つまりなぜ、高島市では優れた農産物や肉、加工食品が生まれ続けるのか?道の駅のおすすめ商品とあわせて、次の記事ではその秘密を紹介。

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