みちする

お買い物・グルメ:
魚に野菜に近江米
アドベリーに和牛も!

2023.09.06

近畿圏の生活用水の多くを供給している琵琶湖は、ふなやます、あゆなどの生息地でもある。これらの湖魚は発酵食品や佃煮といった郷土料理の食材として、観光客に愛されてきた。また、琵琶湖を囲むように広がる近江盆地は、水源に恵まれた農業地帯。野菜や果物の栽培、米づくりや畜産業がここで大々的に営まれている。
水産物に農産物、そして、それらが使われた地域特有のおみやげ。琵琶湖とその周辺が生んだ豊かな食を集めている買い物スポットが〈あどがわ〉だ。もちろん、高島市の特産品「アドベリー」の関連食品もここではたくさん手に入る。

①アドベリー

「アドベリー」は市の生産者協議会が2003年にニュージーランドからボイセンベリーの苗を輸入し、品種改良した木の実。その収穫期間は6月後半の2週間ほど。しかも、生の実は摘み取られてから1日しかもたない。こうした特性のため、「アドベリー」がパック販売されているのは地元の道の駅や直売所のみ。「アドベリー」が大量に出荷されてくる〈あどがわ〉は希少な売り場として、県内外のお客様に注目されている。
収穫時期を過ぎても、〈あどがわ〉にはジャムやジュース、クッキーなどの「アドベリー」食品が満載。甘酸っぱい「アドベリー」はどのように食べてもおいしく、〈あどがわ〉のおみやげコーナーを年中賑わせている。

賞味期限が短い「アドベリー」の果実は、買ったその日中に食べてほしい。
ジャムやソースなどの「アドベリー」食品もまた、農園でつくられている高島市の名物だ。
「アドベリー」のソフトドリンクはフルーティーな味わいを楽しめておすすめ。

②野菜

〈あどがわ〉の〈高島みちくさ市場〉には「高島市農産ブランド認証制度」に基づいて育てられた農産物が並ぶ。この制度により、市内の農産物は農薬・化学肥料の使用量に則して厳しくランク付けされている。野菜や果物だけでなく、加工食品も認証を受けるには「原材料の95%で認証農産物を使う」というルールを守る必要がある。認証制度の最上位となる「ランク1」の農産物には農薬・化学肥料が一切使われていない。〈あどがわ〉のおいしくて体にもやさしい農産物は県内外のお客さんから注目を集めている。

生で食べると〈あどがわ〉の野菜のおいしさははっきりと分かる。

③琵琶湖の幸いろいろ

ふなずしやえび豆、あゆの甘露煮などの琵琶湖の郷土料理が〈あどがわ〉には多い。高島市の旧安曇川地区は琵琶湖の西側に面しており、湖産の魚やすじえびなどを食べる習慣が根づいているからだ。琵琶湖の珍味として、試してほしいのがもろこの甘露煮や佃煮。琵琶湖の固有種だった小魚のもろこ、今では関東の湖でも存在が確認されているものの、滋賀県外では食用になることがほぼない。身も骨もやわらかく淡白で上品な味のもろこは、関西圏では高級魚として料亭で出されることもあるという。この珍味をまだ未体験ならば、ぜひとも〈あどがわ〉の売り場をチェックしてみてほしい。

琵琶湖といえばふなずし。本格的に漬け込んだものからマイルドな味まで〈あどがわ〉ではいろいろな種類を揃えている。

④近江米

滋賀県で栽培されている米の総称が「近江米」。全国的にも有名な「コシヒカリ」「キヌヒカリ」、滋賀県発祥の「みずかがみ」「ミルキークイーン」などが代表的な「近江米」だ。
「近江米」づくりが盛んになった背景には琵琶湖や近江盆地などの自然環境に加えて、滋賀県が京に近かったことも挙げられる。平安時代以降、京に朝廷が置かれると近江地方は都の食糧源として稲作文化を発達させた。上質な「近江米」は歴代天皇が即位する際の献上米に40回以上も選ばれた実績を持つ。そして、高島市は東近江市、長浜市に次いで、水稲収穫量が多い(※)。〈あどがわ〉のお米コーナーに並べられたたくさんの「近江米」は、米どころ高島市の象徴だ。

(※農林水産省 近畿農政局 2022年度の資料による)

ほどよく甘い「近江米」は酒米にもぴったりだ。「近江米」の銘酒を〈あどがわ〉でチェック!
〈川島酒造〉の「藤樹」は格調高い香りの大吟醸。2002年6月にモンド・セレクション受賞。
高島市産の調味料も充実。地元の人たちはスーパーマーケットで日常の買い物をする感覚で〈あどがわ〉を利用している。

ここからは、〈あどがわ〉のおすすめグルメを紹介。

〈安曇川キッチン〉のみちするイチ押しメニュー①十割そば

おろしそば(冷)900円。

「十割(じゅうわり※)そば」とは、「つなぎを使わないそば粉100%(十割)のそば」という意味。つなぎとそば粉の割合が「2:8」の「二八そば」と区別するためにそう名付けられた。近江地方はそばの名産地で、混ざり気のない味を堪能してもらうために「十割そば」が広まっている。〈安曇川キッチン〉の「おろしそば」は「十割そば」のほつれるような食感を満喫できる一品。ほんのり辛い大根おろしとそばの相性が抜群で、滋賀県ではポピュラーな食べ方だ。

※「とわり」という読み方もある。

「おろしそば」にはかつおだしのつゆをかけるのが定番。
こちらは「高島カレーセット(1,000円)」。高島市産の野菜が主役のカレーライスだ。

〈安曇川キッチン〉のみちするイチ押しメニュー②ドリンク&スイーツ

左から:珈琲フロート 450円、季節のパフェ 600円、自家製アドベリージュース 550円。

〈安曇川キッチン〉では高島市新旭町針江の湧き水「針江の生水(はりえのしょうず)」をドリンクのレシピに取り入れている。琵琶湖の水の3分の1は高島市から流れ込んでいるという説もあるが、針江はそんな高島市の貴重な水源地。このエリアでは雨や比良山系の雪が伏流水となった後、澄んだ湧き水となって地元の人たちに利用されている。
環境省選定「平成の名水百選」にも選ばれた「針江の生水」を使ったコーヒーやコーヒーフロートが〈安曇川キッチン〉では人気だ。不純物がほとんどない軟水は、豆やクリームのおいしさをよりひきたたせる。
また、「アドベリー」をはじめとする高島市産フルーツでつくられた、パフェやジュースのフレッシュさも忘れがたい。

〈安曇川グリル〉のみちするイチ押しメニュー:
炭火焼ハンバーグと近江牛赤身ステーキセット

炭火焼ハンバーグと近江牛赤身ステーキセット(M) 2,880円。

日本三大和牛のひとつ「近江牛」は、「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種」という定義を満たした牛肉だけが名乗れるブランド名だ。その発祥は17世紀末といわれており、300年以上も全国で愛されてきた高級食材。
〈安曇川グリル〉の看板メニューは「近江牛」のハンバーグと赤身ステーキで、両者をセットにして頼むこともできる。きめこまかい肉質を存分に確かめられるハンバーグ、脂が乗ってなめらかな歯ごたえのステーキ、それぞれの調理法で近江牛の魅力が引き出されている。

ハンバーグは網に乗せて炭火焼。できあがりを待っている間にもこうばしい香りが漂ってくる。

〈あどがわ〉では、駅のいたるところで最高級の農産物やグルメを堪能できる。滋賀県の市町村の中で最大面積を占める高島市。広いエリアから厳選して集めたおいしいものの数々。お客さんを、自信をもって「おもてなしする」というこの道の駅の精神に、感動を覚えた。

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