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竜王町に県内最大級の
いちご農園誕生

2023.03.14

「竜王いちご」は2022年1月に商標登録された、
滋賀県蒲生郡竜王町の名産品。
そのいちごで地域を盛り上げようという町の思いが結集し、
2023年2月12日(日)に
「竜王いちご」を中心とした農園「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」が誕生した。
今後は道の駅も収穫体験の案内などを通し、深く関わっていく。
大盛況だったオープニングセレモニーの様子と、関係者のコメントをお届け。

春が近いと感じさせる、うららかな陽気に恵まれた日曜日の朝。「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」オープニングセレモニーの会場となった、三井アウトレットパーク竜王近隣の善光寺川の河川敷では、テントやフードカーがひしめき合い、お祭りのような空間が広がっていた。小さなお子さんを連れたファミリーも多く、会場は終始、和気藹々としたムードが。地元農家さんや観光客が施設誕生に期待を膨らませ、開会を待っていた。

会場の様子。アクセサリーショップやフードトラックのほか、占いのワークショップも。

国有地であるこの河川敷を有効活用しようと、竜王町が株式会社みらいパークに声をかけたのは2021年9月のこと。「みらいパーク」は、町内で「アグリパーク竜王」と「竜王かがみの里」という2つの道の駅を運営している企業で、竜王エリアの観光農園とのつながりも深い。さっそくみらいパークが舵を取り、「竜王いちご」の栽培で竜王町を盛り上げる計画が始まった。2021年9月から10月にかけて、町内のいちごを中心とした農園を公募したところ、「協力したい」と7園が手を挙げた。さらにその中から5園を選抜。代表には「園田いちご園」の園田哲也さんが任命された。
農園の愛称も公募を行い「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」に決定。施設内では収穫体験でお客さんに竜王いちごの素晴らしさを知ってもらうほか、関連商品の開発、販売も行っていくという。

11時になり、竜王町長・西田秀治さんの挨拶からセレモニーはスタート。

「町のいちご農家さんのパワーが結集した施設です」と誇らしげな西田町長。
園田代表は「数えきれないほどたくさんの皆様のおかげで立ち上げることができました」と感謝を述べた。

この日の説明によると、施設のビニルハウスは11棟になるそう。中では「章姫」、「紅ほっぺ」、「かおり野」、「よつぼし」などの品種のほか、白いちごも育てられる。その栽培面積は7,155平方メートルで県内最大級。いちごの作付面積は竜王町全体の約110,000株に対し、約55,000株。町内のいちごの約半数が同施設で栽培されることになる。

愛称公募入選者の表彰式。竜王産のお米などの景品が贈呈された。

そして、記念すべきテープカットの瞬間。関係者の皆様が並んでテープに鋏を入れ、「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」の門出をお祝いした。河川敷にもこの日一番の拍手が沸き起こる。

「日本中に竜王いちごが広まるように」との願いが込められて、シャボン玉が青空に舞い上がった。

テープカットの後はお楽しみイベント、「〇×クイズ」へと突入。最終問題まで正解した人に賞品の竜王いちごが贈られた。

進行を務めてくれたのは「ミスいちご」の3人。左から西村彩さん、内田ゆめさん、滝本里奈さん。
大人も子供も白熱した〇×クイズ。竜王いちごの問題で正解率100%だったのは、さすが竜王町!

午後の部は会場が変わって、三井アウトレットパーク竜王内のセンターコートへ。14時から竜王いちごを懸けて、ミスいちごとのじゃんけん大会が開催された。午前の部からの観覧者に加え、買い物客も足を止めて、イベントを楽しんでいた。

会場では大福やクッキー、ジャムなどの竜王いちごスイーツも販売され、注目を集めた。
収穫体験のコーナー。本物の苗で、来場者はいちご狩りの感触を味わった。
左から杉本さん(アグリパーク竜王)、清水副社長、園田代表、竹村直樹駅長、内田さん、滝本さん、植村さん(アグリパーク竜王)、西村さん。

セレモニーの最後は、農園と株式会社みらいパークの皆さんが一斉登壇。代表して、清水正作副社長がご挨拶。「頑張っていちごを作っていきます。この施設をよろしくお願いいたします」との力強い言葉で締めくくられた。これからの竜王いちごがどのように全国へ、世界へ羽ばたいていくのか、想像が広がるオープニングセレモニーだった。

セレモニーの裏で、園田いちご園ではいちご狩りの模擬体験も実施。自ら模擬体験の受付をされていた園田代表に、今日までの歩みとこれからの抱負を語ってもらった。

「お客さんの声を間近で聞けるいちご狩りは大きなやりがい」と、園田代表。

「本日は多くのお客様に来てもらえてとても嬉しいです。私の家では15年もの間、いちご農園をやってきました。しかし、3年前からは新型コロナウイルスの影響で、いちご狩りを止めていたんです。なんとか再開したいと思っていた頃に、大きな竜王いちご農園を作る構想を知り、応募しました」と感慨深く語る園田さん。

ビニルハウスの中は甘酸っぱいいちごの香りでいっぱい。「紅ほっぺ」や「よつぼし」が赤く実る。
園田いちご園では貯水タンクに酸素を混ぜる独自の方法で、甘く大きないちごを栽培している。

園田代表は地域興しにも精力的。竜王町の農業策定ビジョンの委員も務め、地域活性化のために尽くしてきた。
「地元の未来を考えていきたいですね。三井アウトレットパーク竜王の隣は、人が集まる場所。ここでいちご農園をやることで、若者の呼び込みにもなると思っています。いちご商品ももっと充実させたいし、子供たちへの出前授業もしたい。また、今の「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」はいちごが中心ですが、私はお米農家でもあるのでゆくゆくはお米作りにも力を入れていきたい」と、夢は膨らむ。

竜王町にある老舗の和菓子屋さん、正栄堂と園田いちご園がコラボしたいちご大福。ボリュームも甘みもたっぷり。

園田代表の言葉には、農業という形で竜王町に貢献したいという強い意志が漲っている。清水副社長も「若い農園経験者に期待しています」と太鼓判を押す。
そして、アグリパーク竜王・広報の杉本さんも「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」と手を取り合って進んでいくつもりだと語る。
収穫体験は道の駅から予約できます。たくさんのお客さんにご案内できたら嬉しいですね。いちごを使ったイベントもどんどん開催していきたいです」。

地域の人々から待ち望まれ、ついに誕生した「『竜王インター』 アグリヴィレッジ竜王」。道の駅と連携して描く未来に、興奮せずにはいられない。

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