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河内長野の自然と歴史を発信!〈奥河内くろまろの郷〉の体験エリア

2024.02.09 OTHER

大阪府河内長野市の〈道の駅 奥河内くろまろの郷〉は〈お出迎えエリア〉と〈体験エリア〉から成る複合型の道の駅。河内(※)の特産品でつくられたランチやカフェメニューを満喫できる〈お出迎えエリア〉については以前の記事で紹介したとおり。(注1)
今回は、河内長野市の自然や歴史を肌で感じられる〈体験エリア〉の3施設、〈大阪府立 花の文化園〉〈河内長野市立林業総合センター木根館(きんこんかん)〉〈河内長野市立ふるさと歴史学習館〉を「体験」した。

(※)大阪府東部、奈良県との県境周辺地域の総称。

大阪府立 花の文化園

〈大阪府立 花の文化園(以下、花の文化園)〉は甲子園球場の3倍の面積を誇る自然公園。園内の大温室や花壇、芝生広場には一年を通して、季節の草花が咲く。春には桜やチューリップ、夏にはユリやヒマワリ、秋にはコスモスやサルビア、冬には椿や梅などで、庭園はにぎわう。

〈花の文化園〉誕生のきっかけは、1990年4月~9月に大阪市と守口市にまたがる鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会」。その理念である「花と人との関わり合いを理解する場所」を受け継ごうと、自然公園の構想が立ち上がった。そして、同年9月に〈花の文化園〉がオープン。今では、地域の観光や校外学習の定番スポットになっている。フォトジェニックな園内の景観は、カメラ好きやコスプレイヤーに親しまれている撮影場所。また、広大な敷地内を利用して、マルシェやお花見などのイベントがたびたび開催されてきた。開園以来、〈花の文化園〉はまさしく「花と人が深く関わる」場所であり続けている。

ゲートをくぐると、目に飛び込んでくる大花壇。季節に合わせて花壇の花が変わり、いつでも華やか。

注目エリアは、熱帯や砂漠の植物が集められた〈大温室〉。その中は、「熱帯温室」「コレクションガーデン」「乾燥温室」に分かれている。

南国ムード漂う「熱帯温室」に咲く、鳥のくちばしに似た不思議な形の「ゴクラクチョウカ」。
季節感やテーマに合わせた花を展示する「コレクションガーデン」。昨秋はポインセチアのフラワーオブジェが話題になった。
「乾燥温室」には、大小さまざまなめずらしいサボテンがならぶ。

園内を徒歩で移動する間も、樹々や草花の姿、香りを楽しめる。

散策道に沿って、ケヤキやモミジの樹々が立ち並ぶ。
工芸、園芸、料理などのワークショップや展示会の貸し会場〈花の工房〉。
〈芝生広場〉では、ペットのワンちゃんと一緒に遊ぶこともできる。(要受付)
広場の小屋には5頭(2023年12月現在)のヤギもいて、訪れる人の癒しに。
鉢植えやドライフラワーを置く〈はなぶんショップ〉。季節の花が束になったミニブーケがギフトに人気。

休日
月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)
※年末年始:12月28日~1月4日
入場料
大人580円
高校生290円
中学生以下無料
年間パスポート2,800円

河内長野市立林業総合センター木根館

〈花の文化園〉の隣に立つ、木造の山小屋風の建物が〈河内長野市立林業総合センター木根館(以下、木根館)〉。ここは、豊かな河内エリアの森林資源を利用して木工クラフトの制作が体験できる場所だ。
河内エリアの中でも河内長野市と千早赤阪村は面積の大半が森林地帯で、林業が盛ん。そこで伐採・加工されたスギやヒノキの木材は「おおかさ河内材」と名付けられてブランド化している。きめ細かい木目やピンクがかかった色味が「おおさか河内材」の特徴。耐久力も高く、家具や小物づくりに適している。〈木根館〉で工作用に用意されているのも、もちろん「おおさか河内材」の数々だ。

ロビーには木製のベンチやおもちゃなどが置かれ、お客さんの憩いの場になっている。
クラフト体験はまず木材選びから。ロビーに積まれた角材や丸太などから、目的に合ったサイズ、形の木材を集めていく。
端材は格安で量り売りされている。小中学生が木製のおもちゃを作るときに人気なのだとか。
壁付け棚には初心者向けの木工キットがずらり。これで、ペン立てや貯金箱、折りたたみ椅子などを手軽につくれる。

必要な木材がそろったら、〈木工室〉で、いざ作業開始。この部屋では工具や機械が使い放題だ。(※)工具の使い方が分からなかったり、工作に行き詰ったりしたときは常駐のスタッフさんが丁寧に教えてくれる。

(※)有料。料金は下記に記載。

木材を切ったり組み立てたり、クラフト体験を一通りできる〈木工室〉。
金槌や釘、のみ、ペンチのほか、スタッフさんの付き添いがあれば電動のこぎりも使用可能。
見本として展示されているのは、DIYのベテランたちがつくった棚や椅子、写真立てなど。
子供たちが「おおさか河内材」に楽しんで触れる姿をみると、仕事にやりがいを覚えるという田中慎館長。日々、お客さんと交流しながらクラフト体験をサポートしている。

入館料
無料
木工室利用料
中学生以上 1時間200円(1日最大1000円)
小学生以下 1時間100円(1日最大500円)
※そのほか、材料費別途
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休み)・年末年始

河内長野市立ふるさと歴史学習館

〈花の文化園〉の近くにある〈河内長野市立ふるさと歴史学習館(以下、ふるさと歴史学習館)〉。ここは原始時代から現代にいたるまでの河内長野市の歴史を伝える施設だ。施設の中心である「展示室」では、出土した遺物の展示、遺跡や寺社の紹介をしている。また、勾玉(まがたま)や石包丁などの古代の遺物を再現するワークショップも随時開催してきた。

「展示室」は、「近現代」「近世」「中世」「古代」「原始」の5コーナーを設けている。
「近現代」コーナーから「原始」コーナーへ。入口から部屋の奥に進むほど、より古い時代の展示へとさかのぼっていく。

実際に使われていた、明治から昭和初期の家具や農具の展示。その多くは当時を知る市民からの寄贈品だ。
河内長野市に住んでいたとされる、古代の氏族、高向氏(たかむこし)の建物のジオラマ。当時の権力者の生活が再現されている。
古墳時代前期のものである〈大師山古墳〉や古墳時代後期の〈三日市古墳群〉〈大日寺古墳〉からの出土品。大量の土器や埴輪(はにわ)が良好な状態で発見された。

館長の太田宏明さんによれば、河内長野市は「隠れた歴史スポット」なのだという。
「河内長野市内には古墳や中世以前に建立された寺社仏閣、城跡などがあります。近畿地方の歴史を知るうえで、研究者から重要視されてきたエリアなんです。中でも、〈烏帽子形城跡〉〈観心寺境内〉〈金剛寺境内〉の3カ所は規模が大きく、文化財保護法に基づく『史跡名勝天然記念物 史跡』に指定されています。〈ふるさと歴史学習館〉にも史跡の関連展示があるので、ぜひ注目していただきたいです」。

歴史学の博士号を持つ太田館長のコメント。「展示で気になることは私たちスタッフに気軽に聞いてほしい」
3カ所の史跡に関する展示物は、中世の河内長野市が激動の時代だったことを示す。

入館料
無料
歴史体験メニュー(10時30分~/13時30分~/15時30分~ 各回1時間)
勾玉作り 300円
ミニ石包丁作り 100円
型紙のしおり作り 50円

河内長野市の恵まれた自然に触れ、奥深い歴史を学べる〈奥河内くろまろの郷〉の〈体験エリア〉。3施設が隣接しているので、1日ですべてを見てまわれるのも大きな魅力だ。イベントや展示の内容は時期によって変わるため、各ホームページをチェックしてから出かけよう。(注2)

(注1)関連記事

(注2)
大阪府立 花の文化園 公式HP

河内長野市立林業総合センター木根館 公式HP

河内長野市立ふるさと歴史学習館 公式HP

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