みちする

秋のフルーツ特集:
フルーツ王国和歌山の道の駅①四季の郷公園 FOOD HUNTER PARK

2023.10.13 STATIONS

和歌山県はみかん、柿、いちじくの収穫量で全国1位()を誇る。そのほか、ぶどうやいちご、桃などの栽培も盛んだ。一年中、上質な果物が育まれている和歌山県についた愛称は「フルーツ王国」。
そんな和歌山県に実りの秋が訪れた。県内で収穫される個性的な果物たちは、エリアごとの特色を際立たせていく。まるで、紅葉が山々を様々な色に染めていくように。その多様性こそがローカルの奥深さなのだと思う。秋が終わる前に豊かな実りの果物のことや、それらに携わる人たちの創意工夫を知りたくて、地域の農産物が集まる場所、和歌山県の道の駅を巡ってきた。

※2021年度農林水産省統計による

四季の郷公園 FOOD HUNTER PARK

和歌山市明王寺の〈道の駅 四季の郷公園 FOOD HUNTER PARK(以下、四季の郷公園)〉は農業公園を母体とした、25万5000平方メートルもの広大な敷地を持つ。山に囲まれた駅内に、ドッグパークやアスレチック、バーベキュー場などが設けられている。木造の建物もロケーションにマッチした、自然と共生している道の駅だ。
そんな〈四季の郷公園〉で朝採れの青果類やオリジナル食品を取りそろえているショップが〈水の市場〉。秋になるとここの商品棚にはみかん、柿、いちじくといった旬のフルーツがずらりと並ぶ。

副駅長の李野(りの)さん。お客さんのために自ら〈四季の郷公園〉の森で栗拾いをするなど、アクティブに活動している。

〈水の市場〉で注目の品は、道の駅オリジナルの果汁100%ジュース。「有田みかん」「あら川の桃」の2種類が置かれている。
コクがあり糖度も高い「有田みかん」のジュースは皮の苦みがないぶんまろやかなテイストだ。ジュースには果肉がたっぷり含まれていて、心地よいみかんの食感を楽しめる。

瓶の中で果肉が沈み、ジュースが2層に分かれている。果汁100%ならではの現象だ。

一方の「あら川の桃」とは、紀の川市桃山町産の桃のこと。かつてあら川(安楽川)と呼ばれたこの地域では、江戸時代の元禄年間に桃づくりが始まったと伝えられている。もともと温暖気候で、水はけのいい砂れき混じりの土質に恵まれていたあら川。その特性を生かし、生産者さんたちは300年以上も桃の品種改良を重ねてきた。「前の世代より少しでもいい桃をつくりたい」という世代を超えた追求心の積み重ねが、現在の「あら川の桃」の上品な甘みにつながっている。そして今もなお努力をいとわず、「最高の味を」と高みを目指し続けている。
そんなフルーツを使った果汁100%のジュースで、道の駅がおすすめする飲み方は「冷やしすぎないこと」だそう。常温に近づけて飲むことで、果汁100%のジューシーな風味を堪能できるのだとか。

「あら川の桃」はカロチンやビタミンC、食物繊維も豊富。果汁100%のジュースはその魅力を瓶の中に凝縮している。

カフェスペース〈焙所(あぶりしょ)〉でも、〈水の市場〉の新鮮な果実を取り入れた季節のタルトやケーキが人気だ。これらのスイーツのレシピは、果物の収穫状況やお客さんのリクエストに応じて柔軟に変化していく。常にフレッシュなラインナップで、来る人たちをもてなしてくれる。

この日の〈焙所〉はいちじくが主役。果肉のとろける食感は生クリームと相性抜群。

アウトドア派にはたまらない景色が広がる〈四季の郷公園〉。この絶好の環境、あふれる自然の中で、ここならではのフルーツを楽しむ。ハイキングをしながらジュースでのどを潤したり、スイーツの食材になっていた果物を〈水の市場〉で探したり…。まさに〈FOOD HUNTER〉の気分を満喫できる道の駅だ。

おまけ

李野さんは休日限定で道の駅のシャボン玉パフォーマー「バブルマン」としても活躍。子供たちから大声援を送られている。

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