お買い物&グルメ
但馬地方の良品を
「村」で見つけよう
2023.10.02
〈COINOVA VILLAGE〉という愛称を知ったとき、どうして〈やぶ〉が「VILLAGE(村)」なのか不思議だった。その理由は、実際に来てみてピンときた。
但馬の山中で、地場産品を使った料理や、スタッフさんが見つけてきた地域ならではのこだわりの良品が建物内にぎゅっと集まっている〈やぶ〉は、ローカルで本当に愛されている食品やおみやげに出合える場所。そして、そんな〈やぶ〉には地元の人たちが朝食やランチに通い、日常の一部になっている。自然に地域交流の中心となっていった〈やぶ〉のあり方が、いにしえに地方で次々と発生していった「村」の成り立ちにそっくりだと思ったのだ。
そんな〈やぶ〉の一押しは、〈ベーカリーショップ〉。代表作はオリジナルのベーグルだ。乳製品を使わず、噛み応えがある、焼き立てのベーグルが香ばしいにおいとともに並ぶ。「マーブル」「抹茶」「いちご」といった、さまざまなテイストを食べ比べできるのも楽しい。売り切れ必然。これだけでも、ここに来る価値あり。
パンに合う、「もう一品」選ぶとすれば何か。たとえば、〈おみやげコーナー〉には養父市内にある〈高中養蜂場〉産のはちみつは、市外だとなかなか手に入りにくい商品。透き通った「山藤」、花の香りがする「桜」などのバリエーションがあり、いずれも非加熱で良質の生はちみつだ。
特産品と出合えるのも道の駅に行く楽しみ。「朝倉山椒」の発祥地である養父市八鹿町朝倉に近い〈やぶ〉では、関連食品にも注目。おすすめは、朝倉山椒とオリーブオイルを組み合わせた「朝倉山椒オイル」だ。400年以上もの間、但馬地方で栽培されてきた朝倉山椒の香りは柑橘系のフルーツに例えられるほど清涼感にあふれている。そこに青々しいオリーブオイルの香りを加えた「朝倉山椒オイル」は、和洋の香りが見事に溶け合いそれぞれほど良い主張をしている。サラダやパスタにひとふりするだけで、スパイシーながらもさわやかな香が生まれる。〈公益社団法人兵庫県物産協会〉選定のブランド「五つ星ひょうご」にも名を連ね、全国的に知られる調味料となった。
養父市の特産品のゆずを通り過ぎてはいけない。一年を通して気温が低い山間部に位置する但馬エリアは、寒さに強いゆずの栽培に適している。香り豊かなゆずはポン酢や醤油などとの相性が良いのはご存知の通り。〈やぶ〉でもゆず調味料を揃えているほか、後味すっきりの炭酸飲料も好評だ。
〈やぶ〉では、但馬の「地域の味」のセレクトにもこだわりがみられる。漁業や発酵食品など、但馬エリアの多彩なグルメを楽しむこともできる。
〈やぶ〉といえば、充実した食事処をイメージする人も多い道の駅。スムーズにエネルギー補給したい仕事中の人も、家族や友人とゆっくりランチタイムを過ごしたい人も、ぴったりのメニューを見つけられるはず。
〈COINOVA VILLEGE〉のグルメ①油そば
リニューアルオープンした〈やぶ〉で、最初にできた飲食店が「油そば屋」。テーブルに常備されているブラックペッパーやどろ唐辛子を使って、食べながら味変を楽しむのが通だとか。
〈COINOVA VILLEGE〉のグルメ②ゆず山椒からあげ丼
ゆず山椒と米麹に漬けこんだ鶏肉を唐揚げにして、豪快に白米の上へと盛り付けた「ゆず山椒からあげ丼」。特大ボリュームのからあげにかぶりつくと、ゆずの酸味と山椒のしびれる辛さがにじみだす。半熟卵の黄身はつぶして、まろやかな甘さを丼に加えたい。
〈COINOVA VILLEGE〉のグルメ③季節のリトルビッグプレート
「小さくてかわいいグルメを大きなプレートにたくさん盛り込みたい」という思いから考案された道の駅自慢のランチ。そのコンセプトの通り、旬の味覚がプレートの上で贅沢に並べられている。秋に味わえるのは、自家製ハンバーグ、ナスのオーブン焼き、生ハムと野菜のマリネ、エビフライ、サツマイモのコロッケなど(2023年10月時点) 。「かわいい」映え写真が取れること請け合い。
神戸・姫路方面などの都市部から片道1時間以上かけて、〈やぶ〉に通う常連のお客様も多いとか。決して広くはないが、但馬地方の特産品とまごころのこもったグルメが出迎えてくれる〈やぶ〉の和やかでゆったりとした「村」の雰囲気は、時間に追われている都会人の心を強く打つのかもしれない。落ち着いたインテリアで静かに過ごせるベーカリーカフェや、朝倉山椒やゆずといった名産品を選りすぐりで揃えている商品棚。そして、気さくにおすすめのパンやおみやげについて応えてくれる、スタッフさんたちの笑顔。ここ〈やぶ〉は、忙しい毎日に疲れた人をも癒す、あらゆる人々の憩いの場所である。