駅の楽しみ方:
旅気分で巡る
滞在型の道の駅
2023.07.20
神戸市北区(通称:北神)のさらに北部に位置する大沢町(おおぞうちょう)は、
同じ神戸市内でも市街地の中央区とは対照的。
田園やいちご園、ネギ畑などのどかな農業地帯が広がっている。
ところが、〈大沢インターチェンジ〉を降りたカーブの先は、どこか異国へ
ワープしたかのように風景が一変。西洋のお城を思わせる荘厳なゲートが出迎える。
そこには〈道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク 大沢(以下、神戸FFP)〉の看板が。
道の駅ということは?もちろん入場料も駐車料も無料?
ならば、心置きなくゲートをくぐろう!
ここはもともと“花と果実のテーマパーク”として1993年に開園し、北神で親しまれてきた 〈神戸市立 フルーツ・フラワーパーク〉。そこへ、「地産地消をあそぼう!-Fun to eat local!-」をコンセプトにした食の複合施設〈FARM CIRCUS(ファームサーカス)〉が新たに増設され、「道の駅」として再編集されたのは2017年のこと。テーマパークだった当時の敷地や施設をそのまま生かし、巨大ともいえる約31ヘクタールのリゾート空間へと変貌を遂げた。
施設①ファームサーカス・マーケット
まず、ゲートを入った駐車場の目の前にあるのが〈ファームサーカス〉。レストラン、フードコート、マーケット(直売所)と、「地産地消をあそぼう!」をテーマにした3つの施設で構成されている。
地元農家さんが毎日届けてくれる野菜や果物を買えたり、旬の食材を使ったイタリアンを味わえたり、農業体験ができたり…。北神で育まれた食材や食文化に楽しみながら触れられるゾーンだ。
3つあるテント施設の1つ〈ファームサーカス・マーケット〉の中にあるのは、農産物直売所とおみやげ売場。ここの野菜の大半は大沢町の生産者さんが毎朝出荷してくれるもの。トマトやいちご、ネギなどの北神ブランドの作物には、リピーターも多い。
おみやげには、洋菓子の街・神戸の人気パティスリーによるスイーツをはじめ、醤油や味噌、ウスターソース、日本酒やクラフトビールなど、神戸のメーカーによる加工品も豊富に並ぶ。また、道の駅のオリジナル商品も続々と誕生している。
スイーツコーナーでは、季節ごとのフルーツを使ったチーズケーキやゼリーも要チェックだ。
施設②ファームサーカス・カフェ&ファームサーカス・食堂
ドリンクやデザートでちょっとひと息つくなら〈ファームサーカス・カフェ〉へ。地元北神で採れたいちごなどの新鮮な果実や、六甲の牧場で絞られた牛乳を使ったパフェやソフトクリームが味わえる。さらに、〈ファームサーカス食堂〉や〈よりみちバーガー〉も併設。農家さん直送の水菜、大根、トマトなどの野菜を大切に生かしたメニューが人気だ。期間限定や日替わりメニューが多いのは、今が旬の味わいを満喫してほしいという〈ファームサーカス〉らしい思いから。
施設③デイズキッチン
〈デイズキッチン〉はイタリアン中心のレストラン。窯焼きピザには、朝採れトマトで作られるこだわりのソースとシャキシャキの葉野菜や根菜がたっぷり!ピザにもパスタにも地野菜が使われていて、味わうほど作り手の食材に対する愛情が伝わってくる。自家製ドレッシングで食べる、その日届いた季節野菜によるサラダバーも10種以上のバリエーション!
施設④神戸ホテル フルーツ・フラワー
〈ファームサーカス〉を出ると、遊園地やゴーカートなどのアトラクションや、7万株という花々が一面に咲く広大なガーデン、さらにいちご、桃などの果物狩りができる果樹園、そして庭園に囲まれたヨーロピアンスタイルのホテル〈神戸ホテル フルーツ・フラワー〉と、魅力的な施設が点在し、奥へ奥へと誘われる。
そんな優雅な園内を巡っていると、ヨーロッパの異国を旅しているような気分に。ホテルの玄関前に設けられたイベントスペースでは、コンサートやイルミネーションも。またホテルの敷地内には天然温泉〈金仙花の湯〉もあり、宿泊客以外も利用できる。地下1,200メートルから涌きあがる無色透明の湯は、空気に触れることで湯に含まれる鉄分が茶褐色に酸化し、金色に。鉄分や塩分含有量が高い源泉かけ流しの良質な天然温泉は、神秘的な金色に包まれるのも気持ちよく、湯治に訪れる人も多いとか。
あれもしたい、これもしたい、ついつい足を進めてしまう園内はまるで異国の観光地。さぁ、次は何して遊ぶ?