みちする

駅の楽しみ方:
天然の良港が生んだ
舞鶴グルメ観光拠点

2023.06.01

入り口が細く、内部が鳥の両翼のように2つに大きく開けた舞鶴湾は
日本海の強風・荒天を避ける天然の良港として縄文の昔から利用されてきた。
東の港は、近代から赤レンガ倉庫群で知られる軍港として。
西の港は舞鶴城の城下町の商業港、そして京都府最大の漁港として。
そしてこの豊かな港が生んだ道の駅が、いま舞鶴グルメ観光の目玉になっている。

舞鶴湾の西、舞鶴漁港は京都府内の水産物流通の60%以上を占める中核的な水産基地。魚がとれる海域から漁港までの距離が短いことから、とれたての水産物が毎日この港にやってくる。

毎朝9時30分から始まる競りに向け、舞鶴地方卸売市場に日本海の旬の魚たちがずらりと並べられる。競りが始まると「買受人」、つまり鮮魚仲買人たちがやって来て、次々と海産物を競り落していく。このなかにいるのが、今回紹介する道の駅〈舞鶴港とれとれセンター〉の鮮魚仲買人でもある店主さんたち。今回ご紹介する道の駅の魚介類の新鮮さは折り紙付きなのだ。

左上から時計回りに「丹後ぐじ」、春が旬のサワラ、ハマチ、モンゴウイカ。
鮮魚仲買人たちが競り落とした魚は府内のほか全国に出荷される。
舞鶴地方卸売市場は、鏡のように波の静かな舞鶴港のほとりに立つ。


卸売市場から国道175号線を西へ10分走ると〈舞鶴港とれとれセンター 海鮮市場〉。
まるで屋内競技場のような巨大な建物の内部に入ると、そこはもう海の幸パラダイス。〈岡田鮮魚店〉、〈吉本水産〉、〈魚たつ〉という3つの鮮魚店が軒を連ね、その日仕入れた店自慢のうまい魚を販売している、だけではない。この施設では、店先に並んだとれとれの海産物をその場で調理してもらい、焼き物や刺身としてその場で食べられるのだ。
ああ、なんという幸せ。

面積480坪の日本海側で最大級の海鮮市場。天を突くカニのオブジェがお出迎え。
エントランスの巨大な生簀がワクワクと胃袋の期待感を高めていく。
〈海鮮市場〉には3つの鮮魚店。各店自慢の日本海や舞鶴湾の鮮魚が並ぶ。
通路に面した休憩所では、いま店で買ったばかりの海の幸が食べられる。

館内には、舞鶴・丹後の名産品が並ぶ、お土産にうれしいお店が3店舗。
まずは厳選された生魚から作るすり身を使った蒲鉾専門店の〈嶋田商店〉。冷蔵ケースには市場のマドンナであり店主の嶋田さんの親類が営む工場から仕入れた蒲鉾がずらり。白グチ、エソや地元の生魚を使った蒲鉾は、舞鶴が誇る名産品。

〈舞鶴港とれとれセンター〉限定のプリプリ蒲鉾「金波」(630円)。

うまい魚といえば、お酒は付き物。その期待に応えてくれるのが地酒や加工品をそろえる〈舞鶴やまいち〉。お酒の肴にうまい塩辛や地元の味噌など、舞鶴・丹後の美味が並ぶ。

地酒や珍味が充実した〈舞鶴やまいち〉。自社製のへしこ(1,500円)は自慢の逸品。

もうひとつの土産店〈夢や〉では、舞鶴、若狭、丹波の菓子や昆布の加工品類が充実。戦後に引き揚げ船を迎えた桟橋に見立てた羊羹を落雁で包んだお菓子〈岸壁の母〉が好評だ。

〈夢や〉舞鶴銘菓の「岸壁の母」(1350円)など地元名産の菓子が並ぶ。

そして道の駅といえば観光客へのインフィメーション機能。それを担うのが別棟の〈道の駅 舞鶴港とれとれセンター〉。館内はコーヒーを飲みつつ休憩できる〈i-cafe〉や、舞鶴でとれた農産物を販売するファーマーズマーケット〈あぐり〉を併設。

〈道の駅 舞鶴港とれとれセンター〉では舞鶴の観光・道路情報を提供。

施設全体をぐるりと一巡してお腹を空かせたら、いよいよ舞鶴のとれたて海鮮グルメの食べ歩きへLet’s go!

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