みちする

駅の楽しみ方:
酒米から金物まで
三木名物うずまく館

2023.04.13

1500年以上も前に中国大陸からの職人たちを受け入れて以来、
独自の金物文化を発展させてきた三木。
さらに、戦国時代には三木城で、
若き武将、別所長治が羽柴秀吉に激しく抗戦したことも言い伝えられてきた。
そうした激動のドラマがいくつも生まれてきた地域の財産は、
道の駅で大切に受け継がれている。

古墳や古城に囲まれ兵庫県三木市を縦断している国道175号線。歴史情緒漂うその道を南下していけば、徐々に山間の景色へと変わる。小高い丘の上に見えるのが「道の駅みき」。素朴な木壁が周囲の森林とマッチして、牧歌的な雰囲気を感じさる。

もともと「みき」は馬事公苑「三木ホースランドパーク」の一部、「いこいの森」として、2000年にオープンした。多くの施設が点在する施設の中、この道の駅を目的に訪れるお客さんも。人々を惹きつける、みきの魅力とは?

「三木市で有名な、山田錦や金物が揃っていることです。また、市内で採れた野菜もたくさんありますよ」と答えてくれたのは、大西裕駅長。その言葉通り、館内では伝統と名産品が大切にされ、三木という土地の個性が引き立てられていた。

食卓に色を添えるワンランク上の惣菜や、三木市ならではのおみやげを買えるのは、1階の4店舗。

「観光センターみき」には旬の青果のほか、老舗の和菓子や「山田錦」のお酒などが充実。
「JAみのり直売所」には、近隣農家が新鮮な野菜、漬物などを届けてくれる。
「ヤマヒデ食品道の駅店」にはかつおぶし、だし、のりなどが。道の駅でこそ手に入る珍しい商品も。
栗を丸ごとパイで包み込んだ“みきやまマロン”が大人気、全国展開する地元三木のスイーツショップ「シェルブール道の駅みき店」。

道の駅のお食事スポットは2店。「和食レストランはりまや」は1階で日々、ユニークなランチで訪れる人を楽しませている。郷土料理や名産品をヒントにしたオリジナル料理のほか、団体客向けのメニューも。

金物文化とも関係が深い鍛冶屋鍋グルメや酒米「山田錦」を使ったメニューを味わえる。
「山田錦」や栗のソフト、鍛冶屋コロッケをテイクアウトできる「みきや」はおやつの時間に寄りたい。

2階には何があるのだろう?螺旋階段を上っていくと、そこには「金物展示即売館」の入口が。ちらりと覗くだけでも、かなりの商品棚の数。どんな場所か、足を踏み入れてみると―

「三木金物」には木工道具も多いと伝えたくて、階段も木造にしたのだとか。

中には三木市の主要産業である、金物製品がずらりと。その展示数は実に2万点以上!60数社の卸業者が伝統工芸士によるさまざまな「三木金物」を出展している。

大工道具以外にも、調理道具や造園道具、日用雑貨まで、さまざまな三木金物が並んで壮観。

「三木市には200を超える金物メーカーがあります。でも、金物の商店街はないんですよ。いろんな金物を手に取って選べる場所は貴重。種類ではここが市内で一番です」と、大西駅長は力強く語る。

大西駅長は「道の駅をもっと大きな場所にしたい」と願って、日々奮闘している。

三木市の恵み満載のおみやげをもっと詳しく紹介!

木造の床が艶やかな2階のレンタルスペースは、各種教室や企業の会議に利用されている。

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