みちする1年―もう一度行きたい場所①兵庫県たつの市〈くりすチェスナッツ〉
2024.03.01 FOOD
読者のみなさまのおかげで、道の駅情報サイト「みちする」は開設より1年を迎えることができました。
今回は開設当初に掲載し、反響があった記事の中から兵庫県たつの市〈くりすチェスナッツ〉、滋賀県東近江市〈アグレヴィレッジ竜王〉を再訪しました。その後の2施設の今、をお届けします。
まずは〈くりすチェスナッツ〉から。
兵庫県たつの市で評判のスイーツ店〈くりすチェスナッツ〉(※1)。栗やいちごなど、播磨地方の農産物からつくられたメニューが豊富で、週末限定の和カフェも営んでいる。
〈くりすチェスナッツ〉では、新メニューが続々と誕生しているという。訪れた1月の某日曜日の昼下がり。お店は大勢のお客さんでにぎわっていた。
「いつも14~15時ごろ、いわゆるアフタヌーンティーの時間が一番にぎわいますね」。
そう言いながら、オーナーの冨田朋子(とみたともこ)さんは厨房で調理に大忙し。
〈くりすチェスナッツ〉がたつの市に誕生したのは、2021年10月。きっかけは、朋子さんご夫妻が「地元で採れる栗を若い人にも好きになってもらうために、新しいことをしたい」と考えたことだった。2人が暮らす、たつの市新宮町は昔ながらの農業地帯で、庭に栗の木がある家も多い。興味を持ってもらうには、まずは食べてもらおうと朋子さんは思いついた。
こうしてオープンした〈くりすチェスナッツ〉は当初、年内3カ月間限定営業の予定だった。しかし、お客さんからの強い要望に応え、冨田さん夫妻は翌年4月から毎週末だけ営業を再開するようになった。
それから約2年、お店の大きな変化はランチメニューが加わったこと。今年1月から3月までの限定で、2種類の「牡蠣ライスバーガー」(各500円)が登場した。牡蠣は姫路市の〈森盛水産〉から仕入れた、播磨灘産の新鮮なものを使用している。
牡蠣ライスバーガー(牡蠣の天ぷら)
牡蠣ライスバーガー(牡蠣フライ)
「牡蠣ライスバーガー」について、朋子さんのコメント。
「昨年の冬、〈森盛水産〉さんに当店の2階をお貸しして、牡蠣のランチ定食を出してもらいました。ご一緒に、播磨地方の食材をアピールできたらいいなと思って。これが好評で、たくさんのお客様に「またやらないの?」と聞かれるようになりました。それをきっかけに〈森盛水産〉さんの牡蠣で、手軽に食べられるライスバーガーを考えました」
スイーツのラインナップも、季節ごとに変わっていく。今冬から春にかけての注目は、ビッグサイズのミルフィーユモンブラン(各1,500円)だ。コンセプトは「お客さんがお腹いっぱいになってもらえること」だという。
いちごのミルフィーユモンブラン
和栗のミルフィーユモンブラン
「デザートプレート」では、たつの市で採れる季節の果物をたっぷり味わえる。冬と春のプレートは、彩りも美しいいちごづくし。
季節のデザートプレート(冬)・1,000円
どんどん多彩になっていくメニュー。「店を始めたばかりの頃は、お客さんが来てくれるか不安でしたけれど、どんどんリピーターさんが増えてきて。今、ここで働くのが日に日に楽しくなっています」
もともと明るい性格の朋子さんだが、お客さんとの交流は、さらに大きなモチベーションにつながっている。
「リピーターさんとお話していると、メニューの感想をいただけることが多くて。新メニューを喜んでもらえるたび、『もっと頑張ろう』と張り切っています(笑)」
朋子さんの今後の目標は?
「やっぱり、たつの市の栗を広めたくて始めたお店なので、その部分は大切にしたいですね。たとえば、地元の和栗のおいしさが詰まっている『栗の渋皮煮』はずっとつくり続けていきたいです。また、たつの市の農林水産課の方や農家さんと協力しながら、市内に栗の木を植える活動も始めました。食材の仕入れで農家さんと仲良くなったので、前よりいっそう『たつの市の農作物を盛りあげたい』という思いが強くなっています」
開店当時から揺るがない、栗をはじめとする農産物を通して深めた地元愛。新メニュー開発や地域への貢献など、〈くりすチェスナッツ〉は、今もどんどん活動の幅を広げている。
くりすチェスナッツ
兵庫県たつの市新宮町福栖253-2
10~17時(土・日・月・祝日のみ営業)
TEL:0791-60-3265
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