みちする

秋のフルーツ特集:
道の駅の果樹園!
神戸フルーツ・フラワーパークで
フルーツ狩りを満喫

2023.09.15

兵庫県神戸市北区の〈道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢(以下、神戸FFP)〉は直売所の品揃えや飲食メニューを通し地元の農業を応援し続けてきた。加えて、この道の駅ではフルーツの収穫体験体験ができる。それが、果樹園〈フルーツガーデン〉だ。広大な園内には季節ごとに旬の果物が実り、春から秋にかけてのシーズンの中心は、いつもお客さんで賑わっている。自分で収穫したもぎたての新鮮な梨やぶどう、りんごなどを自然の中で存分に楽しむ。神戸市内からほど近い場所にある、この贅沢なアトラクションを取材するために、8月末の〈フルーツガーデン〉を訪ねてみた。

〈神戸FFP〉の東側には、〈多目的広場〉に沿った坂道がある。そこを下っていくと、やがて樹々の並びに突き当たる。そこが〈フルーツガーデン〉。ファミリー層を中心に、県内外から観光客が訪れる道の駅の人気スポットだ。園内ではフルーツが有料定額で狩り放題&食べ放題。追加料金を支払うと狩った果物をおみやげにもできる。(※)

(※)料金はフルーツによって異なります。

梨狩りの料金は大人1,500円、小人1,000円。おみやげにする分は70円/100グラム。

真夏から初秋にかけての〈フルーツガーデン〉では梨が実りのピークを迎える。梨園の面積は約1.2ヘクタールと、大阪ドームのグラウンドとほぼ同じ広さ。その中に約630本もの梨の樹が植えられている。空を覆うようにして枝にびっしりと実った梨の実は、果汁たっぷりのシャキシャキした舌触りの「幸水」と甘さと酸味がしっかりしたい「豊水」の2種類だ。

「豊水」は皮がオレンジ色になれば熟れて食べごろ。

開園時間は平日10〜16時(受付は15時まで)、 土日祝10時〜16時30分(受付は15時30分まで)。営業時間内なら、フルーツをいくら狩っても制限はなし(※)。園内で心ゆくまで収穫でき、その場でたっぷりと新鮮な食感を楽しめる。フレッシュな梨は、まさにサクサクで、もぎたてならではのみずみずしさの虜になってしまう。

(※)桃狩りのみ、時間制限・人数制限あり。園内で食べきれずに余った果物は買取になります。

自分でとったフルーツの味は格別に感じられるはず。

梨以外では、ぶどうやマスカット、りんご、桃の収穫体験も人気。いずれの農園も時期や実り具合によってオープン日が調整されているので、道の駅まで問い合わせてから遊びに行くのがおすすめだ。

神戸農政公社 078-954-1010

さて、なぜ北神戸(以下、北神)ではこのように多種多様な果物を栽培できるのだろうか?理由は、「昼夜の温暖差」にある。もともと神戸市は瀬戸内海型のあたたかい気候が特徴的なエリア。しかし、六甲連山がそびえる北神には海抜高度があり、寒冷な空気も入り混じる。その結果、この地域で育った果物は冷える夜に栄養をためて、朝には甘く大きな実をつける。〈フルーツガーデン〉に実る色とりどりの果実は、理想的な環境だからこそ育った北神農業の象徴だ。

〈神戸FFP〉の夏を彩るぶどう園。写真は鉱石のような黒色が特徴の品種「ブラックビート」の果実と樹。
りんごは「王林」「ふじ」「ニュージョナゴールド」「北斗」の4品種。夏にはまだ青い実は秋が深まるにつれて赤く熟れていく。

最後に、〈フルーツガーデン〉の管理を任されて10年目になるスタッフ、津村崇夫(つむらたかお)さんにこの場所への思いを語ってもらった。西神戸の農家に生まれた津村さんにとって、ご自身の経験を生かせる〈フルーツガーデン〉での仕事はやりがいにあふれているという。
「ここに配属されたときから『面白そう!やってみたい』と思いましたし、ずっと変わらず楽しいです。いい果実ができて、お客さんに『おいしい』と言ってもらえるのはすごくうれしいですね」。
一方で、たいへんなことも多いそう。
「年中、樹の世話で忙しいです。特に忙しいのは果樹園がオフシーズンになる冬の間。春向けて来季の準備をしなくてはいけませんから。樹から余計な枝を取り除いていく剪定(せんてい)作業に追われる毎日です。これが重労働で、時間がいくらあっても足りませんね(笑)」。

園内でとれる果物の特徴、熟れ具合や見分け方など、津村さんは〈フラワーガーデン〉を隅々まで知り尽くしている。

津村さんが仕事を頑張れる原動力は何ですか?
「まずは仲間がいること。たくさんのスタッフと一緒に働けているから、つらいことも投げ出さずに努力できます。みんなで協力し合うと、たくさんのお客様に来てもらえたときの喜びは何倍にもなりますね。そして、どんどん挑戦できるのもやる気につながります。毎年樹を入れ替えて、少しずつ果物の品種を変えていくのにワクワクするんです。流行を踏まえつつも、珍しい果物をたくさん育てていきたい。お客様がいつ来ても驚いてもらえるように」。

「来季は『シャインマスカット』の新種の栽培に挑戦したい」と津村さん。
〈フルーツガーデン〉は果物を愛するスタッフさんたちの情熱に支えられている。

津村さんは「もぎたて果物の特別さ」をお客さんに広めたいと願う。
「お店に並んでいる果物とさっきまで樹になっていた果物とでは、味も香りも全然違います。もぎたてには果物本来のおいしさが凝縮されています。でも、言葉だけでは魅力がなかなか伝わりません。ぜひ〈フルーツガーデン〉に来ていただいて、たくさんの人に北神の果物の魅力を『体感』してほしいです」。

北神の元気な農業を発信し続ける道の駅〈神戸FFP〉。この秋は〈フルーツガーデン〉で、楽しくておいしい思い出をつくってみては?

おまけ

果樹園の周りをぐるりと走れるゴーカート。2人乗りなので親子でエンジョイするのにぴったり(1周1,000円)。

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