みちする

世界遺産登録20周年記念!みちする的2泊3日の熊野ウォーク①熊野古道ってどんなところ? 

2024.06.21

近畿地方南部にあたる紀伊半島には古来から、「熊野」と呼ばれる山地が広がっている。四季ごとの美しさが鮮明に宿る熊野にはやがて、神が隠れて住んでいるという「自然信仰」が根づき、信仰の拠りどころとして、熊野の山中には〈熊野本宮大社〉〈熊野那智大社〉〈熊野速玉大社〉の熊野三山が建立された。
平安時代にはすでに、熊野三山を目指して参詣する文化が生まれたという。旅人が絶え間なく列をつくって山道を歩く様子は「蟻の熊野詣(もうで)」と例えられたほどだ。
京都・吉野・高野山・伊勢などを出発点にして、熊野三山まで続く、全長1,000メートル以上ある参詣道の総称が「熊野古道」。信心深いさまを表す「伊勢へ七度(ななたび)熊野へ三度(さんたび)」という唄が生まれたように、熊野古道は現代でも多くの人に知られているパワースポットだ。

世界遺産に登録された「熊野古道」

2004年に「熊野古道」は「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの「世界遺産」に登録された。2024年は世界遺産登録20周年の記念イヤーであり、国内外からの注目度が高まっている。
登録が認められた要因としては、自然と人間の営みが融合した文化的景観が挙げられる。山岳信仰の対象になってきた熊野は、仏教、神教、修験道における宗教者の修行場でもあった。熊野古道を訪れた修行者や参詣者同士が交流したことで、独自の宗教や文化が発展していく。たとえば熊野では、神教と仏教が混ざり合った神仏習合という宗教観が守られてきている。さらに平安時代から、貴族や皇族、庶民などの身分が問われず、大勢の参詣者が熊野を訪れていたのは、階級制度が厳しかった時代において非常に珍しい現象だ。多様性を受け入れる宗教的聖地が1,000年以上前に誕生していたことは、国際的にも貴重な事例となっている。

世界遺産登録20周年の今年は、「熊野古道」巡り=「熊野ウォーク」に挑戦してみよう。

「熊野ウォーク」を楽しもう!歩き方のコツ4つ

せっかくなら南紀の自然や観光スポットを押さえながら歩きたいところ。「熊野ウォーク」初心者は次の4つのコツを意識すれば、楽しい旅になるはず。

コツ1.眺めのいいルートを選ぶ
コツ2.宿泊先や交通機関、休憩所をリサーチする
コツ3.熊野古道の「いいとこどり」をする
コツ4.自分の体力を考慮してスケジュールを計画する

コツ1。熊野古道は景色を堪能しながら歩くのが醍醐味だ。中辺路なら滝尻王子や潮見峠などのパワースポットが、小辺路なら十津川や湯の峰などの温泉地がおすすめの絶景ポイント。また、大辺路では枯木灘や恋人岬など、海沿いの名所を眺めながら道を行くのも楽しい。
コツ2の宿泊先や休憩所は必須情報。徒歩で移動する熊野ウォークでは、スタート地点までと、ゴール地点から宿泊施設や駅に戻るまでの交通手段をリサーチしておきたい。近くに車を置けるホテルがあるのか?駅やバス停留所とどれくらい離れているのか?これらを把握しておくと、当日の行程がとてもスムーズになる。
コツ3の「いいとこどり」とは、必ずしもルートの全長を歩かなくてもいいということ。たとえば、熊野古道の人気ルート、中辺路は全長が約105キロメートルもある。紀伊半島南端の大辺路はさらに長い全長約120キロメートル。これらの道を何日もかけて歩ききるのは至難の業だ。それぞれのルートで行きたいところだけを「いいとこどり」して効率よく周ってはどうだろう。写真に撮りたい景色や参詣したい神社、周辺の観光地などを盛り込むと計画を立てやすい。
そしてコツ4。無理な行程を避けてスケジュールを計画しよう。仮に3泊で熊野に出かけるのならば、体力のある初日に長い参詣道を歩く。2日目は短いコースにして、最終日は観光も楽しみながらゆっくり歩くなど、体力を温存しながら旅してみては?

この4つのコツを意識して、次の記事ではみちする的「熊野ウォーク」をご紹介。食事や休憩所、おみやげどころとして、和歌山の道の駅を拠点にしたスペシャルプランだ。宿泊施設に選んだのは全国29カ所にある、道の駅に近接するホテル〈フェアフィールド·バイ·マリオット 道の駅ホテル〉。

いったいどんな旅になるのだろう?

写真協力:すさみ町産業振興課、(公社)和歌山県観光連盟(Wakayama Tourism Federation)

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