みちする

世界遺産登録20周年記念! みちする的2泊3日の熊野古道ウォーク③ ゆったりルート&串本観光を楽しむ

2024.06.21

2日目 朝は熊野ウォーク、昼は観光&グルメ

8:00 朝食
2日目の朝が来た。〈フェアフィールド·バイ·マリオット 道の駅ホテル〉に泊まったらぜひ、事前予約しておきたいのが「朝食ボックス」だ。施設ごとに地元の特産物、郷土料理を詰め込んだ朝限定のお弁当。土地ごとの食文化に触れることができ、〈フェアフィールド·バイ·マリオット 道の駅ホテル〉を巡る醍醐味のひとつになるはず。

〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山熊野古道すさみ〉の朝食ボックス。郷土料理・めはり寿司がうれしい。

ちなみに、〈フェアフィールド·バイ·マリオット和歌山熊野古道すさみ〉の朝食ボックスのめはり寿司の食材では、高菜の代わりにレタスを使っている。これは、すさみ町が「レタス栽培発祥の地」との説があるからだ。肉厚なレタスのシャキシャキした歯応えを楽しめる。

8:45 出発 串本町へ
朝食を食べたところでチェックアウトし、自動車で県道42号線を東へと向かった。2日目の予定は本州最南端の串本町で、散策がてらのゆるい熊野ウォークと、観光&グルメを堪能することだ。

9:30 フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本到着
大字鬮野川(くじのかわ)小字橋杭の海岸と山の間に立っている〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本〉。ここが2日目の拠点だ。部屋に荷物を置いてさっそく熊野ウォークに出発した。

10:00 ホテルの近くで熊野“ショート”ウォーク
昨日の長井坂ルートでの疲れが残っているので、2日目はショートコースを歩きたい。そんな気分にぴったりのルートを、あらかじめ〈一般社団法人南紀串本町観光協会〉の宇井さんに電話で聞いておいた。
宇井さんによれば、「〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本〉に泊まるなら、裏の山道を登ってみてください。古い探照灯を目指して上へ上へと歩くだけです。覚えやすいコースですし、山から見下ろすと素敵な景色にも出合えますよ」とのことだった。
一体どんな景色なのだろう?期待しながら、教えてもらった道を辿った。

ホテルから200メートルほど歩くと、山を登るための階段が現れる。

雑木林の間をぬうように、階段を上っていく。生い茂った植物には熊野古道らしいムードが漂う。
使われなくなった探照灯が目印。ここから遠くの景色に目をやれば―
橋杭岩全体を見下ろせる!空気が澄んだ朝のうちにぜひ訪れてほしい。

11:30
山道を往復して疲れたので、ホテルのそぐそばにある〈道の駅くしもと橋杭岩〉にて休憩。

自分へのご褒美に、フードコートでソフトクリームを注文した。

串本大島で栽培されている希少なきんかんを使った、さわやかな香りの「まぼろしのきんかんソフト」(300円)。

ソフトクリームを食べてひとやすみしたところで、〈道の駅 くしもと〉の店内をまわってみた。「トルコの工芸品」と「ロケット応援グッズ」の2コーナーには地域の特色が強く出ていた。

トルコ関連品コーナー。

串本町はトルコと友好関係を結んでいる地域。きっかけは1890年、熊野灘で約580名を乗せたトルコ軍艦・エルトゥールル号が海上事故にあったことだった。このとき、旧大嶋村樫野(現・串本町)の住民たちは必死で救難活動にあたり、69人の命が救われた。それ以来、トルコと串本町の交流は続いている。〈道の駅 くしもと〉でも、モザイクガラスや手編みレース、キリム(つづれ織り)風デザインの小物などのトルコの工芸品が集まっている。

ロケット応援コーナー。

また、串本町では日本初となる民間ロケットの打ち上げ成功を目指し、新興企業〈スペースワン〉が日々研究を重ねている。町内では有志の「和歌山ロケット応援団」が立ちあがり、オリジナルグッズ販売を通して〈スペースワン〉をサポートしてきた。〈道の駅 くしもと〉にも置かれているマグカップやキーホルダーはデザインも愛らしく、おみやげにぴったりだ。

橋杭港のそばで、獲れたての魚で干物を作っている〈おざきのひもの〉。昭和24年に創業して以来、変わらない味のたれがうまみを倍増させる。

※串本町以東でも熊野古道を存分に歩きたいなら重畳(かさね)山ルートがおすすめ!橋杭岩から北東へと車で30分ほど上がったところにある伊串集落を抜け、流れる伊串川に沿って進むと登山口が現れるという。〈南紀串本観光協会〉宇井さんにおすすめポイントを聞いた。
「海抜302メートルの重畳山を登っていくハイキングコースです。石段が設けられているので、急な勾配も楽に進んでいけますよ。山頂の展望台から眺める、那智連山、熊野灘、大島、橋杭岩などの景色が格別です」

重畳山は弘法大師開基の霊山で、その社格は熊野三山に次ぐともいわれる。(写真提供:(一社)南紀串本観光協会 )

12:30
道の駅の前のレストランでランチタイム。

「熊野牛」や串本で獲れたまぐろを味わえるレストラン〈空海〉。アルコールメニューには紀州南高梅酒もある。

13:30
お腹がいっぱいになった。腹ごなしに串本駅まで歩いて自転車を借りた!

14:00
自転車で西へ西へと、熊野街道を走ること約20分。〈串本海中公園〉に辿り着いた。ここは1970年に指定された日本初の海中公園地区だ。黒潮の影響で多種多様な海洋生物が生息する串本沿岸の海中が、施設内で再現されている。水槽にはエイ、サメ、ウミガメなどの人気者も泳いでいるので、ファミリーで訪れるのもいい。

魚群やエイなどの巨大生物が幻想的な光景を生み出す水中トンネル。

18:00
串本駅まで戻り、自転車を返却。そこから夕食のために、徒歩で駅前の〈萬口〉へと向かった。ここは串本町の漁港で水揚げされた海産物をふんだんに使ったメニューで人気の料理店だ。刺身に天ぷら、あら炊きとどれも美味。特に食べておきたいのは串本名物「かつお茶漬け」だ。
「かつお茶漬け」は地元漁師さんの家庭で食べられてきた郷土料理。その作り方は、新鮮なかつおの刺身をごはんの上に盛り、熱いお茶をかけるだけ。

一杯目はごはんの上に刺身をたっぷり盛り付けた「かつお丼」で。
二杯目はかつおの風味を際立たせる「お茶漬け」で。
三杯目は生卵と一緒に「卵かけごはん」で。

20:30
〈萬口〉のおいしい魚で、つい日本酒がすすんでしまった。徒歩2キロ、酔いざましに歩いてホテルに帰ってきた。徒歩圏内に飲食店やおみやげどころが集中しているのは、〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本〉の大きな魅力だ。

22:00
この夜は早めに就寝。なぜなら、明日の早朝にどうしても見たいものがあったから。

3日目 串本町に来たなら橋杭岩で朝焼けを見よう!

5:30
日の出前、薄暗いうちに起床した。すぐに外に出て〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本〉の目の前に並ぶ橋杭岩の間近へと向かった。すさみの枯木灘が夕焼けで有名なのに対し、橋杭岩は朝焼けの中で美しく映えるといわれている。

春に橋杭岩の朝焼けを見て、「百人一首」の選者として有名な藤原定家も歌を詠んだと伝えられている。

いづる日の おなじ光に わたつ海の 浪にもけふや 春はたつらむ (藤原定家)(※)

(※)歌の意味:昨日までとはまったく変わった大きく色づいた朝焼け この海原にもなんと春が訪れたことだろう。

ホテルで二度寝。ゆっくりしてからチェックアウト。

〈フェアフィールド·バイ·マリオット·和歌山串本〉の朝食ボックス。さざえやまぐろなどの海の幸と、鹿肉などの山の幸が一箱に詰まっている。

2泊3日の旅の最後は、ホテルから徒歩5分の距離に支店がある和菓子屋〈儀平(ぎへい)〉でおみやげを選んだ。明治時代創業の〈儀平〉の看板商品は「うすかわ饅頭(まんじゅう)」。甘さ控えめの餡は、国産小豆本来の風味を引き出している。

「うすかわ饅頭」のシルエットは橋杭岩をモチーフにしている。
〈儀平〉は串本町のロケット計画を応援!黄身餡をホワイトチョコレートでコーティングした、ロケットの形のお菓子だ。

山歩きあり、グルメあり、温泉ありだった、今回の熊野ウォーク。次は皇族たちも歩いた中辺路に行こうか?それとも、歩きがいがある小辺路に挑戦しようか?道の駅と〈フェアフィールド·バイ·マリオット 道の駅ホテル〉を利用した熊野の旅は、何度も訪れたくなるほど心躍る時間なのだった。

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