兵庫五国の名品が勢ぞろい!「五つ星ひょうご販売会」レポート
2024.05.17 OTHER
かつては「摂津」「播磨」「但馬」「丹波」「淡路」の五国に分かれていた兵庫県。地形や気候、風習が異なる五国では、それぞれ独自の食文化、工芸品が育まれていった。この多様性が現在でも兵庫県の大きな魅力になっている。
兵庫県で生まれた数々の逸品の中から、「地域らしさ」と「新しさ」を特に兼ね備えたものをエリアごとに選定し、ブランド化して全国に広めようとする活動が「五つ星ひょうご」だ。毎年、兵庫県と公益社団法人兵庫県物産協会が協同で選定委員を任命し、新しい「五つ星ひょうご」選定商品を発表している。
3月22日(金)、〈神戸サンボーホール〉で開催された「五つ星ひょうご販売会」には、令和6年選定事業者57社、過去事業者11社が集まり、選定商品のPRを行った。以下、主に販売会に出品された商品を中心に、最新年選定商品から兵庫県の道の駅で販売している注目の品をレポート。
摂津地域選定商品
西日本を代表する港町・神戸市を含む、兵庫県の経済的中心地が摂津。ここでは20世紀初頭に「阪神間モダニズム」と呼ばれる近代化が起こり、日本と西洋の生活様式がバランスよく融合していった。また、六甲山のふもと「北神」と呼ばれる神戸市北区では、稲作をはじめとする農業も広まっている。
GEM-MAI BREAD 〜玄米ブレッド〜(株式会社Agrico)
「玄米はビタミンB1を豊富に含み、体内でのエネルギー代謝をサポートするといわれる。そこに注目して〈株式会社Agrico〉は、サクサク食感の玄米ブレッドを開発。原材料は化学肥料を使わないことにより「ひょうご安心ブランド」(※1)にも認定された〈こうべファーム〉の特別栽培米(※2)「ヒノヒカリ」だ。朝の手軽なエネルギー補給にぴったり。」
(※1)兵庫県が認定している「兵庫県認証食品」の一種。農産物に関しては、化学肥料と農薬の低減が認められ、残留農薬が国基準の1割以下だった場合に「ひょうご安心ブランド」の称号を与えられる。
(※2)農薬と化学肥料の使用量を、該当地域における通常栽培の半分以下に抑えたお米のこと。
「玄米ブレッド」を買える道の駅:〈道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢〉
住所: 兵庫県神戸市北区大沢町上大沢2150
アクセス:六甲北有料道路・大沢IC降りてすぐ。
播磨地域選定商品
北部には山地が広がり、南部は瀬戸内海に面している播磨。自然に恵まれた風土の中で、ゆずや牡蠣、酒米「山田錦」などの特産品が誕生した。また、200年以上の歴史を誇る先染め織物「播州織」も全国に知られている。これらの名物に加え、選定商品には栗栽培の風習にスポットを当てたスイーツも名を連ねた。
ゆずゼリー(相生市農村女性連絡協議会)
相生市を代表する農業地域、矢野町では多くの家庭でゆず栽培が行われてきた。地元の女性たちが協力し合い、兵庫県産100パーセントのゆずを使った甘酸っぱい「ゆずゼリー」を生み出した。着色料を含まない、爽やかな色合いも印象的だ。
「ゆずゼリー」を買える道の駅:〈道の駅 あいおい白龍城〉
住所:兵庫県相生市那波南本町8-55
アクセス:山陽自動車道・竜野西I.Cより国道2号を相生方面へ15分
渋皮煮のプリン(くりすチェスナッツ)
たつの市に昔からある、庭で栗を育てる習慣を守りたいとの思いでつくられたスイーツショップ〈くりすチェスナッツ〉。その看板メニューは、栗の渋皮煮からできた無添加・無着色のプリンだ。甘み成分が自然に瓶の底へとたまり、2層のカラーを織り成すのが美しい。
「渋皮煮のプリン」を買える道の駅:〈道の駅しんぐう〉
住所:兵庫県たつの市新宮町平野99-2
アクセス:山陽自動車道・龍野ICから北へ車で約20分
roots shawl(有限会社玉木新雌)
「播州織」による一点もののアパレルにこだわるデザイナー・玉木新雌が考案したショール「roots shawl」。カラフルな色彩と軽やかな肌ざわりで、「播州織」の魅力がカジュアルに表現されている。どんなコーディネートにも合うのでギフトにおすすめ。
「roots shawl」を買える道の駅:〈道の駅北はりまエコミュージアム〉
住所:兵庫県西脇市寺内517-1
アクセス:中国自動車道・滝野社ICより西脇方面へ、国道175号線を北に15分
すぐ、おかいさん(農園若づる)
「すぐ、おかいさん」は播磨地方名産の「山田錦」を炊いてから粉末状にした、お湯でもどして食べるおかゆだ。非常食や離乳食のほか、高齢者の介護食にもいい。少量で満腹感を得られるので、食欲不振のときにも口にしやすい。
「すぐ、おかいさん」を買える道の駅:〈道の駅 山田錦発祥のまち・多可〉
住所:兵庫県多可郡多可町中区岸上281-1
アクセス:中国自動車道・滝野社ICから車で30分
焙煎黒豆(株式会社ノウデン)
昼夜の寒暖差と清い水源に恵まれた播磨は、黒豆の栽培に適した地域。それに熱を加えることでこうばしさを引き立てたのが「焙煎黒豆」だ。そのままスナック感覚で食べられるほか、黒豆茶や黒豆ごはん、お菓子などの材料にもなる。
「焙煎黒豆」が買える道の駅:〈道の駅 みき〉
住所:兵庫県三木市福井2426
アクセス:山陽自動車道・三木小野ICより車で約5分
但馬地域選定商品
五国最大の面積を誇る但馬は、山岳地帯の間に広がる平野で農業の歴史を紡いできた。「朝倉山椒」や「岩津ねぎ」などの特産品を、県外から買い求めに来る人は多い。選定商品からは、但馬地方における農産物の豊かさをうかがえる。また、北部の日本海で獲れる松葉ガニ、ブランド和牛「但馬牛」などは海外での知名度も高い。
朝倉さんしょと兵庫のりの佃煮 ぴりのりつく(合同会社イマジネ)
上品な香りとまろやかな香りがミントにも例えられる「朝倉山椒」を、兵庫県産のりの佃煮と組み合わせた「ぴりのりつく」。丸い実とすり潰した実の両方が混ざっており、「朝倉山椒」の深い風味をまんべんなく感じられる。
無糖 もち麦グラノーラ(八鹿鉱泉株式会社)
「もち麦グラノーラ」は福崎町のもち麦と、養父市の赤米が原材料。この2つがポン菓子機でシンプルに加工されてできあがった。穀物本来のこうばしさとパリパリした食感を堪能できる。ヨーグルトやミルクをかけたり、そのままおやつにかじったりと食べ方もいろいろ。
「ぴりのりつく」「もち麦グラノーラ」を買える道の駅:〈道の駅 但馬のまほろば〉
住所:兵庫県朝来市山東町大月92-6
アクセス:北近畿豊岡自動車道・山東PAに併設
丹波地域選定商品
奇跡的な地形「氷上回廊」の通過点である丹波は、いにしえから農耕がさかんに行われてきた。山里で収穫される黒枝豆や黒豆、まつたけなどは根強い人気で、京料理の貴重な食材でもある。さらに、農業地域では味噌や酒かすづくりも続いている。これらの発酵食品を生かした食品が、販売会をにぎわせていた。
悪右衛門らーめん(一般社団法人丹波市観光協会)
丹波市の名城・黒井城の主「荻野悪右衛門直正」の名を冠したラーメン。まろやかなコクのあるスープは、地元産の味噌と酒粕がベース。悪右衛門の異名「丹波の赤鬼」をイメージして加えられた真っ赤なトマトペーストが、酸味のアクセントになっている。
「悪右衛門らーめん」を買える道の駅:〈道の駅 丹波おばあちゃんの里〉
住所:兵庫県丹波市春日町七日市710
アクセス:舞鶴若狭自動車道・春日ICを降りてすぐ。
淡路地域選定商品
かつて「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、朝廷に海産物を献上していたとされる淡路。のりやわかめ、鯛、しらすなどの海鮮類は現在でも観光客に大人気だ。農業もさかんで、兵庫県産玉ねぎのほとんどは淡路島で収穫されている。選定食品では、海鮮類と玉ねぎ、2つの淡路名物のコラボに注目したい。
生のり(淡路島産玉ねぎ入り)(株式会社山田海産物)
淡路産の生のりの中に、ソテーした淡路玉ねぎが入っている佃煮。生のリの濃厚な磯の風味と、玉ねぎの食感が、絶妙な取り合わせだ。保存料を一切使っていないことも評価のポイントだ。あつあつのごはんに乗せて食べたい。
「生のり(淡路島産玉ねぎ入り)」を買える道の駅:〈道の駅 福良〉
住所:兵庫県南あわじ市福良1528-4
アクセス:神戸淡路鳴門自動車道・淡路島南ICより約15分
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