特集: SNS映えにチャレンジ スマホで簡単!グルメ撮影のQ&A In KIGURI CAFE
2023.12.19
2021年4月のリニューアルで〈くしがきの里〉に誕生した、フルーツいっぱいのパフェやアイスカップ、手づくりでかわいいオープンテラスで話題の飲食店〈KIGURI CAFE〉。ここではさらに、しらすや季節のフルーツを使ったピザなどのランチメニューもそろう。建物を囲むように続く四郷地区の青々とした山並みの背景にも恵まれ、SNS映え」するスポットとして広まった。
いくつもの「映える」好条件がそろったここでなら、高価なカメラを用意しなくても、スマートフォンで充分、インパクトのある写真が撮れそう。それでも「写真は苦手」「いい写真の条件が分からない」という人に向けて、Q&A形式て撮影テクニックをまとめてみた。モデルになる〈KIGURI CAFE〉のグルメ紹介と合わせてぜひチェックしてみて。〈くしがきの里〉の楽しみ方がきっと増えるはず。
まずは、〈KIGURI CAFE〉店内での写真から。
Q1.「しらすピザ」、たっぷりなボリューム感を出すにはどうすればいいの?
モデル:紀州釜揚げしらすピザ
〈KIGURI CAFE〉のランチでは種類が豊富なピザがおすすめ。その中でも、和歌山名物の釜揚げしらすをたっぷりとのせた「紀州釜揚げしらすピザ」は、インパクトのあるビジュアルで注目されている。味の方も、しらすの磯の香りとチーズの酸味の相性が抜群。撮るときは、しらすのボリューム感がわかるようにしたい。
よくある×写真のポイント
・真上に近い角度から撮ってしまい、しらすのボリューム感が消えている。
・全体を撮ろうとしてカメラを引きすぎたために、大きさが伝わらない。
・ピザの周りの余計なものや床まで写ってしまっている。
×ポイントを解決するために―
A.高さを意識してボリュームを伝える。
「しらすピザ」を上手に撮るには、角度を工夫しながらズームアップ。(※)盛られたしらすの高さを表現する。
(※)カメラの画面に写った被写体を拡大すること。
〇写真のポイント
・皿に対して水平に近い角度でカメラを構え、こんもり盛られたしらすの高さを強調。
・しらすをややズームアップ。フレーム(※)の中心に収めて主役にする。
・あえてピザの一部をフレームからはみ出させることで、全体の大きさを見る人に想像させる。
(※)写真の枠。
Q2.「柿のクリームチーズピザ」の熱々なおいしさは写真でどう表現する?
モデル:柿のクリームチーズピザ
今年の秋から〈KIGURI CAFE〉に加わった新メニューが「柿のクリームチーズピザ」。かつらぎ町産の糖度が高い柿をクリームチーズと一緒に焼いたピザは、とろけるような甘さになる。上にのせたバニラアイスが熱々の生地で今にも溶けてしまいそう。撮影に試行錯誤している間に、その形は崩れてしまう。柿、クリームチーズ、バニラアイスという、豪華な3つの素材をおいしそうに見せるために、以下の例を参考にしながらスムーズに撮影してみよう。
よくある×写真のポイント
・ピザが小さく写っており、トッピングが分かりづらい。撮影に時間がかかって溶けたアイスが生地に流れ出し、おいしそうに見えない。
・どの部分を主役にして見せたいのかがぼんやりとしている。
・被写体に撮影者が近づきすぎて、影が写真に入っている。
×ポイントを解決するために―
A.「シズル感」を大切にする。
「シズル(英語の“sizzle“が語源。「揚げ物などがジュージューいう」の意味)感」とは広告表現における、食欲や購買意欲を刺激する感覚のこと。食品では、見る人に「おいしそう」と想像させる見た目や言葉、香り、音の表現を指す。たとえばこのピザの写真なら、「熱々の生地の上で素材が溶けている」ところを視覚に訴えることが、「シズル感」の鍵になる。このポイントを押さえておくと、カメラの角度や焦点に迷わず迅速に撮影を進められる。
〇写真のポイント
・ピザが来る前に、焦点を合わせる位置を決めておけば撮影は素早く終わる。この写真の場合はズームアップで、アイスやクリームチーズが溶けている部分に焦点を合わせている。
・一部に思いきって寄っているので、背景や影を気にせず短時間で撮影できる。
・あらかじめ照明の真下にあるテーブルを確保しておく。室内の照明が真上にあるところで撮影すれば、溶けたアイスに光が反射して明るくなるため、シズル感を演出できる。
〈KIGURI CAFE〉隣の空きスペースからは、山並みと青空を見渡せる。ここも押さえておきたい撮影スポットのひとつ。
Q3.彩り鮮やかな「季節のフルーツアイスカップ」を手に持って美しく撮るには?
モデル:季節のフルーツアイスカップ
かつらぎ町で採れた旬の果物を詰め込んだアイスカップは、〈KIGURI CAFE〉を代表するスイーツ。秋から冬にかけて登場するのは、大きくカットされた柿、みかんとバニラアイスの組み合わせ。糖度の高いかつらぎ町の果物は、そのまま食べるだけでもびっくりするほど甘い。撮影時は、手に持って周囲の風景も画面に入れるのが定番。
よくある×写真のポイント
・手でカップを覆ってしまい、果物の邪魔をしている。
・写真の中で手の割合が大きく、カップが目立たない。
・カップを持つ位置が低く、暗い地面が写っている。
×ポイントを解決するために―
A.力を抜き、カップをやさしく掲げる。
つかむのではなく、支えるような感覚でカップを持つ。カップが主役になるような写真を心がける。
〇写真のポイント
・指先だけ使ってカップを持っている。
・手の甲が画面に写っていないので、カップが目立つ。
・高く掲げることで空や山が背景になり、明るい印象に。
〈KIGURI CAFE〉入口脇の看板は、〈くしがきの里〉を訪れた記念撮影にうってつけの場所。
Q4.記念に〈KIGURI CAFE〉看板とスイーツを一緒にバランスよく撮るには?
モデル:イチゴのスムージー
和歌山産のいちごをふんだんに使った「イチゴのスムージー」。ドライブや観光で疲れた体に、ひんやりとした甘酸っぱさが染みわたるはず。いちごの鮮やかな赤は、写真を華やかに演出するアクセント。〈KIGURI CAFE〉の看板を撮るとき、そばに添えてみよう。
よくある×写真のポイント
・看板のロゴマークにピント(※)が合って、スイーツがぼやけている。
・カップに描かれたロゴマークを判別できない。
・スイーツも看板も小さくて、写真で伝えたいことが分からない。
(※)焦点。スマートフォンのカメラでは、画面をタッチして焦点を定める。
×ポイントを解決するために―
A.ピントは手前の被写体に合わせるのが基本。
人の目は通常、「手前の物体→奥の物体」の順で対象を認識する。そのため、手前にピントが合い、背景がぼんやり写っていると、バランスが良く見やすい写真になる。
〇写真のポイント
・ピントは手前のスイーツに合っている。看板は大きいので、ピントがぼやけていても文字やロゴマークは読み取れる。
・カップのロゴマークも鮮明に写っている。
・スイーツと看板に寄った構図で、何を撮りたいのかが明白。
手づくりの素敵なテーブルも、写真に上手く盛り込みたい。
Q5.テーブルに置いて、柿がたくさんのったパフェを撮るときの構図は?
モデル:柿パフェ
季節ごとに内容が変わる「季節のパフェ」。今年の秋から冬にかけては、2種類の柿を贅沢に使った「柿パフェ」が登場している。渋みを抜く過程でタンニンが熟成し、黒くなっているのは「紀の川柿」。口に入れると甘みの中に深いコクを感じる。一方、みずみずしく、もっちりした食感なのは黄色い「刀根柿」。写真撮影ではパフェをテーブルに置き、両者の色の違いをはっきりと表現したい。
よくある×写真のポイント
・暖色系(※1)の柿に対して寒色系(※2)の背景が見づらい。
・パフェの全体像が伝わらない。
・せっかく屋外で撮っているのに、周りの風景が写っていないので個性の薄い写真に。
(※1)赤やオレンジなど、暖かさを感じさせる色のこと。
(※2)青や灰色など、寒さを感じさせる色のこと。
×ポイントを解決するために―
A.背景の色や構図をパフェに合わせる。
スイーツの色味が暖色系か寒色系かを確認し、背景も同系色で統一する。また、背景の構図がパフェにもたらす効果まで考えると、均整の取れた写真になる。
〇写真のポイント
・暖色系のスイーツの背景を同系色でまとめていて、写真が見やすい色合いに。
・パフェを正面から撮影しているので、高さやグラスの中身が明確。
・背景を左右対称にすることで、柿が積まれたパフェの安定した美しさが引き立つ。
ここで紹介した撮影方法はあくまで基本的なもので、応用テクニックは無数にある。写真の正解はひとつではなく、いろいろな角度や構図を試しながら、自分のお気に入りの手法を見つけるのが上達のコツだ。味もビジュアルもバリエーション豊かな〈KIGURI CAFE〉のフードメニューは、幅広い撮り方を試せる最高のモデルたち。季節ごとに新しい品が登場するのもうれしい。〈KIGURI CAFE〉に何度も通って、食事も写真も両方満喫しよう。