みちする

グルメ:
竈と石窯でつくる
火の食堂のごちそう

2022.12.12

「Be Wild.」という四季の郷公園のコンセプトをフードメニューで味わおう!
贅沢な料理って、余計な飾りがないってことなんですね。
ひとつ、かしこくなりました。

「火の食堂」は、水の市場で販売している地元食材を使ったメニューが楽しめる。 
メニュー開発に大きく貢献しているのは、食をテーマにしたテレビドラマやCMの料理シーンを手掛けてきた料理研究家の飯島奈美さん。彼女がプロデュースした、火の食堂の看板メニュー、「四季の定食」を頼んでみる。 

つやつやでまぶしいごはんを囲む、ボリュームたっぷりの一汁十菜。季節限定の旬の郷土料理が。11月後半の取材時のメニューには、和歌山浦紀州備長炭で焼かれた「灰干し秋刀魚」(こうばしい!)や、「秋茄子の金山寺味噌浸し」(染みてる!)など、秋の味覚が満載。 

ごはんは昔ながらの、竃さん(おくどさん)の薪火で炊いたもの。その竃の火がおいしく作ったおこげに、梅しらす餡かけをかけた一品がとにかく絶品。カリカリのおこげに梅の甘酸っぱさが調和する。 
その中でも主役級の存在感を放つのは、「角煮と煮卵の梅煮込み」。柔らかくなるまでじっくり煮られたお肉と卵から、ほんのりと梅の酸味が。こちらは水の市場でも手に入る梅酢 。梅酢がいい仕事をしていて、いつものお惣菜を新境地に。 

和歌山の高野山で生まれたと言われるごま豆腐はとてもクリーミー。 

和歌山の名物 漬けマグロも。名産や名物の小鉢がうれしい。 

とろけるような感触の豚の角煮。梅酢がさりげなく香る。

さてさてデザートには、焼所から「四季のタルト」を選んでみた

柿を使った四季のタルト。この中には自家製生クリームがつまっている。

地元産の柿と生クリームのマッチングに舌鼓。あくまで柿本来の味と香りを活かした仕上がり。そういえば、砂糖が高級品だった時代の日本では、庶民は柿で甘みを補充していたそうな。満腹でもすんなり受け入れられる果実の美味しさを、昔の人々も愛していたのだろうか。

「火の食堂」では、ベーカリー焼所(くべしょ)を併設。焼き立てのパンが大人気。 

「火の食堂」のメニューを味わうと、和歌山、そして地域の食文化を未来に伝えようとする気持ちが伝わってくる。副駅長の李野さんは施設リニューアルに際して「イノベーション(発明)」ではなく、「リノベーション(改造)」という言葉にこだわった。地域活性は新しい価値を地域に置くのではなく、もとからあった資源の価値を再発見して活かすということ。そんな精神が食堂のメニューひとつひとつから伝わってくる。和歌山の秋をたっぷりと味わいました!

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