みちする

海南サクアスのひと:
地元スタッフと共に伝える、価値あるいいもの

2024.02.02 PERSON

「価値あるものを価値ある価格で、ちゃんと販売する」
そう語るのは、今西陽介さん。〈海南サクアス〉の上席店長であり、道の駅など外食施設を運営するサントリーグループ「株式会社ダイナック」の社員だ。
海南の知られざるいいものをと、作り手の情熱を伝えることに全力を注ぐ今西さんに話をうかがった。

こちらに赴任されるまでにも、茨城県の道の駅で立ち上げから8年間、店長と駅長を兼任し、管理運営に携わってきたという。さらに道の駅に携わる前には同社運営の飲食店で店長経験を積んできた今西さん。このときの実績が買われてか、茨城県の道の駅の管理運営は同社としても初だったそうだが、「当時の上司に『ぜひ、一緒に』と誘われて」と話す。
そして、茨城県から和歌山県へ?
「はい、茨城ではおかげさまで売りあげも順調に伸びていたので、海南でもその経験を生かしてみないかと声がかかりまして」

農地に囲まれていた茨城の駅では、農作物を中心に扱っていたそうだが、海南は農業も漁業も盛ん。周囲はみかん山と、施設からは見えないが海も近い。柑橘と魚が豊富と聞いて、今西さんは、まず下津漁港を視察した。
そのときの感想を聞くと「懐かしかったですね、学生時代に戻ったような…というか」。
実は今西さん、出身は大阪の堺市で、大学は和歌山。「釣りにもよく来ていたんですよ」と、当時を振り返る。

「ここには約70名のスタッフがおりますが、私と撫(“お買い物”欄でご紹介の撫悠紀野さん)以外は海南市の地域内雇用」というほど、ほぼ地元の方で営まれている〈海南サクアス〉。「地元の人たちの雇用を生むというのも我々の役目。それに、果物でも野菜でも魚でも、生産者が友達だったり、ご近所だったり、親戚や家族だったりということもあり、どこで誰がどんな思いで生み出しているか、みんなよく知っているし、そのぶん愛着も深いから、品質の良さをちゃんとアピールできるんです」と、今西さん。

売り場には、女性スタッフが多く、雇用機会創出にもひと役担っている。左から前山さん、上山さん、児嶋さん。
「魚盛」の岸本さん。
なんと、まぐろ名人の和泉圭紀(よしのり)さんがまぐろをさばいていた。「魚盛」の調理責任者。
フルーツパーラーの石倉さん。



こうした運営体制の成果もあって<海南サクアス>は品ぞろえ豊富で近所の人からも評判がいい。たとえばみかんひとつをとってもいろんな品種があり、作っている人によっても、その中でも木によっても、味が変わる。
そう聞いて売り場を見ると、みかんを並べているだけでなく、試食サービスも取り入れながら農園ごとの味の違いを明確にアピールしていた。地元スタッフだからこそ知っていることを、売り場に生かしているのだ。
さらにはマルシェで売っている生産者のフルーツを使って、フルーツパーラーでタルトやパフェを提供している。「この連動性をもうちょっと高めて、パーラーで食べておいしかったから、マルシェでこれ買おうとか。もっとつなげていきたいと思っています」と、今西さん。

「ここは委託販売といってもぜんぶ自前。我々にとって道の駅の役割って、単に売る場所を貸すだけじゃないんです。地元も遠来もお客様の声に耳を傾けて、生産者さんと信頼関係を築いていきたい。価値あるものは価値ある価格で、ちゃんと売る努力をしていきたいと思っています」と、力を込めた。
「見て、楽しめる売り場ヘ、まだまだこれから改装していきます」
さぁ、次に訪れるときはどんないいものと出会えるのだろう。

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